〜’02鈴鹿8時間耐久レース(8/2〜4)〜


今年もこの地で熱いバトルが繰り広げられる・・・

 5月25日、全日本鈴鹿200kmの会場で2002年鈴鹿8耐の体制発表会が行われた。SUZUKI,YAMAHA,ケンツやヨシムラといった豪華チームが集まる中、KAWASAKIの姿がない・・・実は筑波のトークショーで匂わせていたのだが今年は不参戦に決定。そして肝心のHONDAはまだペアライダーが決定していないとのこと。6月に行うテストにより最終的に決定するとのことで、いろいろ噂が飛び交う中約1ヶ月間、どうなるのだろう??と気がきではなかった。GPの合間をぬって行われたテストも好感触で終了し、7月9日、チームキャビンHONDAから#11加藤大治郎選手&宇川徹選手ペア、第3ライダーにはC・エドワーズ選手が正式発表された。同じく#33には岡田忠之選手&玉田誠選手、第3ライダー伊藤真一選手が決定。期待されたV・ロッシ選手の名はなく、ロッシメインの鈴鹿の宣伝ポスターはどうなってしまったのかちょっと心配になったりもした・・・(笑)
7月行われた2回(計4日)の合同テストでは、GP組はレースのため後半2日しか走行できない。毎年ハードスケジュールでテスト時間も少ないにも関わらず、NSR500からVTR1000SPWへの乗換えを難なくこなしてしまう大治郎選手は一体何者!?(笑)そんな中まさかのハプニングが発生!7月14日に行われたイギリスGPで大治郎選手、宇川選手ともに骨折してしまったのだ。特に宇川選手のケガはひどく次戦ドイツGPはもちろん8耐参戦も危ぶまれる声も上がっていた。しかし1週間後のドイツGPでまたもやアクシデント・・・10位争いを展開していた大治郎選手は後続車(S・ジベルナウ選手)に追突され、転倒><大きなケガがなかったのが幸いだった。
そして開催直前、やはり宇川選手のケガが思わしくないとのことで、#11は大治郎選手&C・エドワーズ選手に変更し優勝を狙うこととなった。優勝経験のある2人だけにどんなレースを見せてくれるのだろうか・・・

 8/2(金)予選1回目、Bグループの#11組は第1ライダー大治郎選手から走行、2’07.267をマークする。続いて第2ライダーコーリン選手が登場2’07.616を出し、午前はともにBグループトップにつける。
時より降ったり止んだりしていた雨はさらにピットウォークでひどくなり、午後のタイムアタックに影響が出るのでは?と心配したが、大治郎選手、コーリン選手の走行には影響なく、大治郎選手は2’07.679、コーリン選手は2’07.001で総合3番手で終了した。
この日は夜間走行も行われ、いつもは早々と切り上げる大治郎選手も(ゴールライダーではなかったのでね)6回ピット作戦によりゴールも務めることになるため、いつもより多く走行していたように思えた。明日はスペシャルステージ(以下S.S)。P.P獲得を期待しつつサーキットを後にした・・・

 翌3日(土)、午前中は4耐が行われていることもあり、ワークスライダー達はトークショーなどのイベントに参加。大治郎選手もコーリン選手や玉田選手、岡田選手とともにHONDAのトークショーに参加し、多くのファンが暑い中詰め掛けた。
ピットウォークを挟み、14:30〜S.Sがスタート。まずはアタックステージラストに登場した大治郎選手が2'07.291の最速タイムを叩き出す。予選からコーリン選手が好タイムを出していたおり、あまり無理をしていないように見えた大治郎選手だったが、このときばかりはさすが!と思わせる走りを見せてくれた。そしてジャンプアップステージに登場したC・エドワーズ選手が2’06.840さらにタイムを縮める。残るは#71A・バロス選手。予選でも凄いタイムを叩き出しているだけに怖い存在・・・最後のアタックが開始されると各セッションで赤マークを表示しながら攻めるバロス選手・・・やはり速い!2’06.577とトップタイムを叩き出し、#71A・バロス選手&武田雄一選手組がP.P、#11は2番手スタートとなった。今回HONDAは6回ピットで臨むとのことでスタート、ゴールともに務めることになる大治郎選手。2年ぶり2度目の優勝に向け期待がかかる。いよいよ明日、決勝を迎える・・・

S.Sスタート前 誰ですか!??(爆)


この日夜行われた前夜祭にも出席した大治郎選手。去年の加賀山選手のパフォーマンスに影響されたのか(!?)、玉田選手とともにおかしな被り物をして登場した大ちゃん・・・表情は伺えなかったが、ライダー紹介中「早く終わらないかなぁ・・・恥ずかしいなぁ・・・」なんて声が聞こえてきそうな感じがしたのは気のせいだろうか・・・(爆)

 そして迎えた決勝。朝から異様な暑さの中、行われたピットウォークもすごい賑わい。数時間後の決戦を前に落ち着かないのもいつものこと・・・朝のフリー走行も無事終えあとはスタートを待つのみ。
10:45〜各車ピットを離れグリッドにつく。スタートの瞬間を見るためD席に移動し、2番グリッド目の前の位置をキープし、スタートの瞬間を待つ。出場台数70台が紹介され始めると私たちの緊張もさらに高まるはずだった・・・!?目の前ではP.Pの武田選手、2番手大治郎選手、3番手玉田選手の仲良しトリオがじゃれ合いを始め、スタート前に体力使うなよー、と突っ込みたくなるほど・・・リラックスしているのか?それとも緊張をほぐすためにやっているのか??そして2周のウォームアップも終了。あとはスタートだ!そして・・・・・5,4,3,2,1、GO〜!!

 11:30、ル・マン式スタートで始まった8耐。好スタートを切ったのは3番手スタートの#7梁選手、そのままホールショットを奪ったかに見えたが後ろから#18D・ポーレン選手がフライング気味で飛び出しそのまま1コーナーへ。しかしすぐに#7梁選手がトップに立ち、以下#18、#8、#33と続く。大治郎選手はちょっと出遅れ、6番手あたりにつけるものの、すぐに順位を上げ、トップ争いに加わり、4周目には早くもトップ争いが#33、7、11、8の4台に絞られる。毎周回順位が入れ替わるスプリント並みのレースが展開され、10周を過ぎたあたりからすでにバックマーカーも出始めるほどに・・・14周目、トップから少し遅れはじめていた#8北川選手がヘアピンで転倒〜〜前3台についていこうとして無理をしてしまったのか!??これでトップ集団はHONDA2台&SUZUKIの3台に絞られる。その後方にはスタートで出遅れた#71武田選手がつける。
1時間を経過したあたりでまず25周目に#71武田選手がピットインしA・バロス選手と交代、1周遅れて#7梁選手がピットインし加賀山選手に交代。例年ならばHONDAワークスのピットインも同じぐらいのタイミングで行われるはずなのだが、今年は6回ピット作戦を実行とのことで#11大治郎選手&#33玉田選手はまだまだ接近戦を展開している。
30周目に#11大治郎選手がピットインし、給油、タイヤ交換を済ませC・エドワーズ選手に交代、次周には#33玉田選手も岡田選手と交代する。その間に#7がトップに浮上するものの、C・エドワーズ選手が徐々に差を詰め37周目、#7加賀山選手を抜きトップへ、2位#7、3位#33と続く。今回はHONDA勢と他チームではピットインのタイミングがずれるため、今までよりも順位がわかりにくくなることも・・・
62周目、エドワーズ選手から大治郎選手に交代、トップでコースインするが真後ろには再び#7の姿が・・・大治郎選手は8〜9秒台を叩き出しながら逃げるが、ピタリとついて来る梁選手。しばしGPチャンピオンvs全日本チャンピオンのつかず離れずの展開が繰り広げられるが、後半バックマーカーの影響により少しずつ差を広げていく。
93周目に交代したエドワーズ選手は、トップでコースイン。そのまま2位SUZUKIとの差をさらに広げて再び大治郎選手へバトンタッチ。しかしここで再び、#7梁選手とのトップ争いが展開されることになる。1度引き離した差もピット作業やバックマーカーのタイミングですぐにリセットされてしまうのも8耐ならでは。おまけに初の6回ピット作業なだけにまさに勝負の行方はゴールまでわからないといった感じである。
スタートから4時間が経過し、次第に魔の時間に近づいていく鈴鹿サーキット・・・すると134周目、#12ヨシムラの武石選手が1コーナーで転倒!との情報が伝えられた。さらに158周目には、1コーナーで#7がスローダウン!!ショートカットをしてピットへ戻ったがそのまま修復不可能と判断され、17:20、157周でリタイヤとなった。連覇を阻止しようと唯一HONDAに割って入ったSUZUKIだったが、トップ#11、2位#33、そして3位には#71が上がり、これによりほぼHONDA6連覇は間違いなしの状況となった。
残り30分となったあたりで、突然の雨が!毎年何事もなく順調に終わらせてくれない8耐・・・(苦笑)#11最後のライダーは大治郎選手。大治郎=雨が苦手(ごめん、大ちゃん)という図式がある上、あまり夜間走行をしている記憶がないだけにとにかく心配で仕方がない><しかし、幸いにも雨はすぐに止み、あまり影響がない模様。今年は運も見方してくれているのか!?
そしてついに8時間が経過!トップで戻ってきたのは#11、続いて#33、そしてプライベータートップの桜井ホンダ#71が3位に入り、2年ぶり2度目の優勝、HONDA6連覇、そしてHONDA表彰台独占と2002年の鈴鹿8耐はHONDA三昧で幕を閉じた・・・

優勝おめでとう! 恒例の花火

スタートから危なげない走りで快調に飛ばしていった#11大治郎選手&C・エドワーズ選手。6回ピットの成功はもちろん2人の速さが終始光った今年の8耐だったような気がします。ご両親の言葉にもあるようにおそらく誰もが、残り30分のところで雨が落ちてきた瞬間ドキドキしたことでしょう・・・そんな不安な気持ちをも吹き飛ばすかのようにすぐに雨も止み、ひたすらゴールを目指すのみの大治郎選手。そして2000年以来2度目の優勝を自らの走りで決めることができました。表彰台には同じくチームキャビンホンダの玉田選手、そして桜井ホンダの武田選手とかつてのペアでありライバルである仲良し3人組が上がった姿は本当にうれしい限りでした。表彰式後「大ちゃんおめでとう!」と声をかけたときのうれしそうな笑顔がとても印象的でした。
終わってみれば、HONDAの6連勝、表彰台独占とHONDA三昧だった2002年の8耐・・・SUZUKIのリタイヤ、ワークス勢をかき回してくれるだろうと期待されたケンツの転倒・・・今年もいろいろなドラマが生まれ、それぞれが一喜一憂したのではないでしょうか・・・
これで大治郎選手も2勝目。来年の連覇、そして日本人最多勝利を目指して頑張れ大ちゃん!!

大治郎選手&C・エドワーズ選手およびチーム関係者の皆さん、本当におめでとうございます!!
そして鈴鹿に行かれた皆さん、暑い中本当にお疲れさまでした。

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レースリザルト