2000年WGP第3戦日本GPin鈴鹿(’00.4.7〜9)


4月7日(金)
  いよいよこの日がやってきた。2000年、記念すべきミレニアムの年にWGPフル参戦を果たした大治郎選手・・・GPライダー”加藤大治郎”の誕生をどれだけの人が心待ちにしていたことだろうか・・・開幕戦2位、第2戦3位と連続表彰台をGETし、母国日本に帰ってきた。大治郎選手の聖地であり、過去2連勝を飾った最も得意とする鈴鹿サーキットで、3度目の勝利の瞬間を見ようとたくさんの人が駆けつけた第3戦日本GPがいよいよスタートする・・・
フリー走行1回目、久々の大治郎選手の走りにわくわくドキドキしながら見守る私たち・・・1号機に乗った大治郎選手は10周(?)を終えたあたりでピットイン。 マシンを乗り換えるとすぐさま2'10.392をマークしトップへ浮上。この時点で10秒台は大治郎選手とYAMAHAのO・ジャック選手。残り時間30分を切り宇川選手が2'10.249とわずかに大治郎選手を上回りトップへ浮上、中野選手も10秒台にタイムアップをする。大治郎選手もピットインを繰り返し、2台のマシンチェックを行いながらさらに 2'10.167まで詰める。しかし、残りわずかでゼッケン4番宇川選手が2'10.235をマークしトップへ。大治郎選手は2位で走行終了。3位には2'10.026で中野選手がつける。

午後3時半予選1回目スタート。周回ごとにタイムを更新し5週目、2'09.048でトップタイムをマークする。午後のセッションもピットインを繰り返しながら2台のマシンを交互に操りさらなるタイムアップをはかる大治郎選手。しかし、各セッションでのタイムは縮めるもののクリアラップがなかなかとれずタイムを縮めることができない。そんな中、1号機にまさかのマシントラブル発生。どうやら電気系のトラブルらしい・・・S字でマシンを止め、走ってピットに戻ってくる。ピットの中では2号機をセッティングで大慌て・・・残り時間20分を切ったところで2号機にエンジンがかかり、再びコースイン。
残り時間もあと4分となったところでまたまた宇川選手が2'08.872をマークしトップへ浮上。そこへ突然のアナウンス・・・ 「ゼッケン74加藤大治郎転倒〜〜〜!」なんと1コーナーでクラッシュしてしまいタンカーで運ばれてしまったのだ。心配になったおがち&うみは、メディカルセンターへと急ぐ・・・ ここで何かあったら・・・と心配でたまらなかった私たちだが、スタッフから「大丈夫だよ」と聞きホッと一安心。ケガはなかったものの、打撲ということでケンケンしながら歩いてた大治郎選手。 やっぱり痛そうだ・・・明日の予選に影響しないことを願いつつサーキットをあとにする・・・P.P取れますように・・・

4月8日(土)
  11時15分フリー走行2回目スタート。前日、マシントラブル、転倒と2台とも壊れてしまった大治郎号だったが、スタッフの必死の修復作業により復活した1号機&2号機。 しかしタイムは2分10秒台と7番手・・・マシンに問題を抱えているのか??それとも午後の予選に備えて様子見しているのか??予選2回目が待ち遠しい・・・トップは2'09.458をマークした宇川選手、これに中野選手、今年250ccにステップアップしたM・メランドリ選手と続く。

そして15時予選2回目スタート。相変わらず好調の宇川選手に続き、YAMAHAの中野選手もタイムを詰めてくる。そんな中、残り時間20分を切ったあたりで大治郎選手が2'08.628でトップに浮上!!この映像をピットのモニターで見ていた宇川選手はすぐさまマシンにまたがりコースイン。しかし、その直後130Rで転倒を喫してしまう・・・気持ちが焦ってしまったのだろうか?? 走ってピットに戻る宇川選手はすぐにマシンを乗り換え再びコース出るものの、再び1コーナーで転倒してしまう・・・一方、大治郎選手は快調に周回を重ねタイムを更新。そしてラスト1周、 ただ1人7秒台へ突入!2'07.987という最速タイムで見事WGPフル参戦初P.Pを獲得した。ますます鈴鹿GP3連覇への期待が高まる大治郎応援団・・・それぞれ”優勝”を願いつつサーキットを あとにする・・・

4月9日(日)
 ついに迎えた決勝。朝早くから大治郎応援席は興奮状態。名古屋&関東組合同で用意されたフラッグ&風船&クラッカーが配られスタートの時を待つ私たち・・・



 そして12:30決勝スタート。ロケットスタートを切ったように見えた大治郎選手だったが、ホールショットは#56中野選手。#74大治郎選手2位、#19ジャック3位、#4宇川選手4位と続く。 過去2戦はこのまま中野選手に逃げられてしまい悔しい思いをしたが、今回は大治郎選手も負けてはいない。2週目、スプーンコーナーで#19ジャックに抜かれるものの、3週目のバックストレートで再び2位に浮上、トップの中野選手を追いかける。早くもトップ争いは中野、大治郎、宇川、ジャックの4台に絞られる・・・ そしてついに7周目のバックストレートで中野選手をかわしトップへ浮上!!私たち応援団も大興奮!さらに熱が入る・・・ さらに中野選手は次の周、宇川選手にもかわされ3位へ。しかし負けじとシケイン飛び込みで2位を奪い、激しい2位争いを繰り広げている。一方大治郎選手はそんなライバルたちを振り返ることもなく ただ”優勝”に向かってひた走る。トップ大治郎選手、2位中野選手、3位宇川選手、それぞれのタイム差は1秒以内と予断を許さない状況だ。4位ジャック選手は徐々に遅れ、トップ争いからは脱落する・・・ 追う中野、逃げる大治郎・・・中野選手のプッシュに応援団は「やだぁ〜〜〜〜!!」大騒ぎ(笑)私も「もういいからここで(レース)終わりにしよう・・・」とそれぞれがいてもたってもいられない状態・・・ 頼む大ちゃん、このまま逃げて!!誰もが祈るようにその走りを見つめている。
レースも残り5周を切ったところで勝負に出た中野選手。130Rでスリップを使いトップへ浮上するものの、得意のシケインでインに飛び込み再びトップに立つ大治郎選手。 さらに残り3周、スプーン入口で大治郎選手のインを突いた中野選手だったがアウトにはらんだすきを大治郎選手がインを突き返す・・・そしてシケインでは宇川選手が中野選手をパス・・・ 3台のバトルはゴールへ向けてますますヒートアップしている。果たして最後にどんなドラマが待っているのだろうか?? 大治郎選手、宇川選手、中野選手の順でメインストレートに帰ってくる。そしていよいよラストラップ・・・ 鈴鹿での3連覇がかかる大治郎選手、後輩に先を越され一刻も早く今季初優勝を果たしたい宇川選手、開幕3連覇のかかる中野選手、それぞれがあらゆる思いをかけて臨んだ2000年WGP第3戦日本グランプリ・・・ 必死に逃げる大治郎選手、それを追う宇川選手&中野選手。応援団も声を枯らしながら声援を送る。しかし、スプーン出口付近で中野選手のマシンが振られる・・・ここで最後の争いは大治郎vs宇川に絞られた。 そして最終勝負のシケイン。果敢に攻める宇川選手であったが、シケインの進入には絶対的といっても過言ではないぐらい定評のある大治郎選手が押さえきり、見事GPフル参戦初優勝!鈴鹿3連覇という偉業を成し遂げた。

スタート前から日本人による争いが予想をされていた250ccクラス。その予想通り日本人選手が表彰台を独占。 大勢の人から3連覇を狙ってと言われ、プレッシャーを感じていたという大治郎選手。しかし、そのプレッシャーをはね除け見事3連覇を成し遂げた。表彰台の中央に立つ姿は昨年11月の最終戦のときとは遙かに違って見えた・・・日本の大ちゃん−から、世界の大治郎へ・・・ますます雲の上の存在になっていくことにちょっと寂しさを感じつつも全世界に「大治郎」の名が広まることを願わずにはいられない・・・しかしそんな中でも、いつもと変わらない「大ちゃん」であり続けてほしいと思うのであった・・・

すでにイタリアへと旅立った大治郎選手。グランプリは遠征ラウンドを終え、ヨーロッパラウンドへと突入する。果たして次なる舞台スペイン、ヘレスサーキットではどんなレースを見せてくれるのだろうか・・・ 鈴鹿での走りをぜひヨーロッパでも見せてほしいと思う。きっと大ちゃんなら見せてくれるだろう・・・

I just keep on running to the top.
挑んでみる play so hard たくましく生きて誰よりも
I just keep on running always.
負けたくないから never down かがやいた明日を手に入れる
新しいタマシイ呼び覚ませば 胸に響くだろう     (song by 20th Century)

大ちゃん、そしてチームスタッフおよび関係者の皆様、本当にお疲れさまでした・・・

写真はこちら


決勝結果