’００　８耐

～’００鈴鹿８時間耐久レース（７／２８～３０）～

決勝

数時間後、この地で熱いバトルが繰り広げられる･･･

　待ちに待った８耐･･･今年は事前テストへ行ったこともあって今まで以上にこの日を待ちわびていた私。今回は金曜日に鈴鹿入りしたのだが、あっという間に２日が過ぎ、ついに決勝を迎えた。早くスタートしないかなぁ？？と思う反面、これが終わるとまた１つ楽しみが減っていく･･･という悲しい気持ちとで複雑になりながら朝から落ち着かない。毎回のことだから少しは落ち着いたら？？と言われてしまうかもしれないが、こればかりは仕方がない（笑）これから先もレースを見続ける限りは、この緊張感を味わっていくものよね＾＾なんて思いながらも時間は刻々とスタート時刻１１：３０に近づいている･･･
　#4のスタートライダーは大治郎選手。ということは、ゴールライダーは宇川選手ということになる。スタートのよい大治郎選手と過去に２度もトップでゴールしている宇川選手、おまけに普段はＷＧＰでトップ争いをしている２人なだけにまさに世界最強コンビ！今年の相棒VTR1000SPWとの相性もいいようで８耐での勝利が期待される。頑張れ、大治郎＆徹･･･
　しかし、スタート前のフリー走行で予期せぬ出来事が！なんと#33岡田選手が転倒、さらに足を痛めてしまい決勝を欠場せざるを得なくなる。これにより、 #33は伊藤選手＆第3ライダー鎌田選手ペアでの出場となる。早くも波乱の幕開けか！？？

　そして迎えた決勝。出場台数６８台が紹介され始めると私たちの緊張はさらに高まる。いてもたってもいられない私たちはスタートの瞬間を見ようと２コーナーから移動する。そして･････５，４，３，２，１、ＧＯ～！！
　ル・マン式スタートで始まった８耐。まず好スタートをきったのは#2井筒選手、以下#41吉川選手、#7梁選手、#10渡辺選手と続く。しかしすぐさま#41吉川選手が #2井筒選手抜きトップ浮上。序盤から激しいトップ争いが繰り広げられる。一方#4大治郎選手は、#11エドワーズ選手、#71玉田選手と5位争いを展開中。しかし、なかなかタイムが上がらず、4位との差が広がっていく･･･その中で抜け出したのはエドワーズ選手。玉田選手も負けずについていき、トップは#2、11、7、41、71でのバトルとなる。一方少し遅れた渡辺選手は、大治郎選手、#33伊藤選手とともに先頭集団を追う。なかなか前に出て来ない大治郎選手が心配な私たち応援団･･･しかし、まだまだ始まったばかりだしだいじろうぶ（笑）と言い聞かせ再び集中！
　１０周目を過ぎたあたりから早くも周回後れが徐々に現れ始め、見てる方もヒヤヒヤ^^; そんな中でも白熱したトップ争いが展開される･･･
　１６周目、Ｐ．Ｐからスタートの#41が130Rで転倒！！マシンにダメージはあるものの何とかピットまで戻り修復作業に取り掛かる。２４周目あたりから続々とピットインを行うチームが現れ始める。#4大治郎選手も確実な走りで1回目の走行を終了し、４番手で宇川選手と交代する。
２８周目には、ファステストラップを叩き出し前の３台を追撃する。
　そして３１周目、今度は#10 SUZUKIの加賀山選手が同じく130Rで他車と接触、転倒を喫する･･･あらら･･･YAMAHAに続きSUZUKIまでも、と思っていた矢先、今度は#11ロッシ選手までもヘアピンで転倒してしまう。さらに３５周目、またもや130Rで転倒事故発生。約５周ほどペースカーが入ることになる。これにより２位北川選手と３位宇川選手の差は一気に縮まり、ついに４２周目、#4トップに浮上！！そのまま２位との差を突き放す。
　５４周目、１４．４秒のピット作業を終え大治郎選手に交代。２位井筒選手との差は約４秒･･･しかし、あっという間にその差はなくなり大治郎選手の背後に迫る。そこで再びアクシデント発生！#71玉田選手が逆バンクで転倒！！ビジョンには外れたタンクのそばで頭を抱えしゃがみ込む姿が映し出される･･･お願い、転倒しないで･･･と祈るような思いで井筒選手とのバトルを見守る。２人の争いはもはや耐久レースではなくスプリントレースを思わせるようなそんな激しいバトルに。そんなハラハラさせるバトルはライダー交代まで続いた。
　８１周目、ピットインし宇川選手に交代する。ここで再び#2が前へ出るものの、すぐにトップを奪い返し差を広げていく。
　１０９周目、大治郎選手に交代。この時点での順位は#4、#2、#7。２位との差は約１７秒。さらにリードを広げていく。
　１３７周目、ピットイン。交代した大治郎選手は、宇川選手の腰の辺りをポンポンっとたたいて送り出す。先輩っ！頼んだよ、ってな感じなのか！？？この時点での２位#2との差は約２６秒。このままどこまで引き離せるのか！？？
　１６５周目、宇川選手ピットイン。大治郎選手の最後の走行がスタートする。特別に作ってもらった８耐バージョンのメットも４色目。やはり最後は幸運の黄色！！無事に走行を終えピットに戻ってくるのを祈りつつ大治郎選手の走りをじっと見守る･･･とビジョンに映し出されたのはライムグリーンのマシン･･･えっ！？？･･･１７１周目、２位走行中の#2井筒選手Ｓ字で転倒！！！！！マシンはかなりのダメージを負っている模様･･･１度はメットを脱いだ井筒選手だったが、再び修復するべくピットに向かう。メカニックの必死の作業は続く･･･これにより独走状態の#4、２位には #7、３位に#3と続く。このまま順調に行けば優勝か！？？ビジョンを見ながら何故かジーンとしてしまう私･･･（まだ早いってば！！笑）しばし大治郎選手の走りを見入っていると、何やら背後に迫る者が･･･#71バロス選手～！！大治郎選手の後ろにピッタリとつき、時にはバトルをしようとするバロス選手。「頼むからやめて～！！危ないから！！」と心配で心配でたまらない。
　そして６：２９、ライトオンの表示。いよいよ残り１時間、ナイトセッションに突入！
　１９３周目、大治郎選手無事ピットイン。宇川選手の走行に･･･これが今年の８耐最後の走りとなる。この１時間にすべてがかかっている･･･毎年夜間走行ではいろいろなドラマが繰り広げられる。”魔物が住む”と言われているだけに何が起こるかわからない。残り３０分となったところでやはり何かが起こった。心配されていた雨だ。そんな中でも、慎重に周回を重ねる宇川選手･･･大治郎選手もゴールの瞬間を迎えようとピットレーンへ急ぐ。
　そして、１９：３０、#4 Team CABIN HONDA　宇川徹／加藤大治郎組、トップでチェッカーを受け優勝！！２１５周の新記録樹立！！HONDA初の４連覇達成！！宇川選手日本人最多３勝目、そして我らが加藤大治郎選手、念願の８耐初優勝！！！！！という輝かしい結果を２０００年７月３０日、ここ鈴鹿サーキットに刻み幕を閉じた･･･


世界最強ペア宇川徹＆加藤大治郎優勝おめでとう！！！	おや？？お２人さん・・・（爆）	恒例の花火

　ワークス制の相次ぐ転倒、そして130Rでの事故によりペースカーが入るなど、序盤から波乱が相次いだ今年の８耐･･･そんな中、確実に８時間を走り切り２位以下をすべて周回遅れにし、２１５周という８耐新記録を達成！！普段はＷＧＰでトップ争いをしている２人なだけにレベルは世界１！世界最強のペアと言えるのではないでしょうか！！
　９４年８耐初参戦から今年で７年目。P.Pを獲得しても、トップ争いをしても勝てなかった８耐･･･きっと誰よりも勝つことの難しさをわかっているのだろうと思う。そして記念すべき2000年、この瞬間を誰もが待ち望んでいたことだろう。見事初優勝を飾った大治郎選手の笑顔、パフォーマンス（？）はきっと忘れないと思う。ますます男っぽくかっこよくなった大治郎選手･･･そんな大ちゃんに惚れ直しつつまた来年もこの感動を味わいに、そして『だいじろーコール』をしにサーキットに行こうと決心するのでした･･･（終）

　130Rでの転倒事故により、山川守選手がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

「表彰台ではやっぱり脱ぐ予定だったの？」
大「いや･･･気がついたら脱がされてた･･･」
あららそうだったのね（笑）
笑顔で応えてくれた大治郎選手。ほんの数時間前までは雲の上のような
存在だった大治郎選手が、話すとやっぱりいつもの”大ちゃん”になる･･･
そんな大ちゃんがやっぱり大好きだぁ＾＾と思った瞬間でした（笑）

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レースリザルト